ものづくり技術手帳

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はじめに

 本書は「ものづくり」を技術的視点から「これだけは」と思われる基礎事項を浅く広く解説したものである。「分数ができない大学生」が話題になって久しいが、「ものづくり」で生きてきた日本、これからも続けられるであろうか。文系理系にかかわらず「小数の計算ができない」というのでは問題である。
日進月歩の科学技術が否応なしに生活に浸透してくる時代である。あらゆる仕事において技術オンチ、化石人間では支障をきたし、自分の専門に長けていてもまわりが見えなくなる。
「深い穴を掘るには広い穴が必要」なのであり、「専門バカ」では肩身が狭い。しかし幅広い知識を身に付けるのは、「言うは安く行うは難し」である。 筆者も社員教育のためにと、部下に必要と思う書籍を与えてみたが、「つんどく」されるだけであった。
それなら「読んでくれる指導書」を作ろうと無謀なことを始めたが、自分もまた「井の中の蛙」である。人を教える前に自らを教育しなければならない。それから始まった試行錯誤の連続、あきれるほど長い期間を費やし、まだまだ不十分ではあるが、なんとかそれらしき体裁になった。基礎技術だけでも「ものづくり」の範囲は広く、一つの学部、学科では習得しきれない。ゆえに教科科目の枠を越えて技術以外のことも含めなければならない。書いては捨ててを繰り返し、浅くて広い穴にするために構成は型破り、常識はずれのものとなった。「ものづくり」だから、物理や化学とか単一の科目にこだわらず、「特許」や「原価計算」さらには「心」に関することでも述べる事にした。それでもやはり技術の基礎が中心の「理工系の入門書」であり、これ一冊で「ものづくり」つまり理工系の基礎を学べるよう網羅している。多分このような書籍はこれまで例がないであろう。
科学技術創造立国を標榜する日本でありながら現状は「理科ばなれ」が止まらない。「ものづくり」関係者だけでなく、理系や技術を敬遠してきた文科系の人々にも高校の基礎を復習する「総合的参考書」として、役立つであろう。

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