第五章 目次 5.1 長さ 5.2 質量 5.3 時間 5.4 面積 5.5 体積 5.6 速度 5.7 電磁波
5.8 エネルギー 5.9 温度 5.10 熱伝導率 5.11 音圧 5.12 圧力 5.13 電気抵抗率 5.14 密度
5.15 濃度(%) 5.16 濃度(pH) 5.17 粘度 5.18 ヤング率 5.19 粒度 5.20 価格
コーヒータイム(5)擬態 第五章 執筆後記
音は音源が振動し、それが物質に粗密の変化を生じさせ伝わる縦波であり真空では伝わらない。
音の高さ(振動数)、強さ(振幅、振動数)、音色(波形)を音の三要素という。また波の性質として反射、屈折、回折、干渉、共鳴などの現象が生じ、また音特有のドップラー効果(頁119、参考15参照)もある。空気中の音の速さ(v)は温度によって変化し任意の温度の音速は次式による。
V=331.5 + 0.6t (m/s) t:℃
水中での音速は 1500 m/s であり、鉄材では 5130 m/sである。人が感じることのできる音の周波数帯域は、およそ 20 Hz〜20
kHz であり、音圧の範囲は、20μPa〜20 Pa である。空気中の音速は比較的遅いために、人間は左右の耳に入る時間差により音の方向を認識する。水中では音速が早く差を感じなくなるので方向も認識できない。
音もまた空気圧力の振動であり、それを圧力の単位で表現することができる。人間の聴覚は音の大きさが 10 倍になっても 2 倍程度にしか聞こえない。これを的確に数値で表すには対数が最も適しているが、そのためにある基準を設定しそれとの比を対数とする。それでも数値が小さいから何倍かして取り扱いやすい数値とする。最低の基準値として最低可聴レベルである
0.00002(20μ)Pa をとりこれをP0 とし、目的の圧力をPとする。この比の対数をとりそれを20倍する。これが音圧(デシベル)であり、次式で表現される。
Lp= 20 log10(P/P0)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (I)
現在の音の大きさが最低レベルであれば0 dB である。最高の大きい音は 20 Pa P/P0 =1 であり、その対数は 0 である。ゆえにこの場合のデシベルは
であり、P/P0 =20/0.00002=106 である。
Lp =20 log10106 =20×6=120 dB となり、つまり 0〜120 までの数字で、人間の感覚的な全範囲を表現できるということである。但し人の耳には振動数も大いに関係し、物理的音圧レベルが同じでも周波数が異なると大きさが違って感じる。それを多くの人の実聴により統計的に表したのが図Eの等ラウドネス曲線である。最近訂正されたもので、図中の曲線の単位はフォン(phon)である※。この図は 1000 Hz を基準としているので 1000 Hz における phon はすべて音圧レベルと同じ値である。周波数を変えた場合 1000
Hz の dB と同じ大きさに聞こえる dB を連ねたのが phon の曲線群である。たとえば 1000 Hz の 50 dB は100 Hz
の 70 dB と同じ大きさに聞こえると言うことである。全体的に振動数が低いと物理的音圧レベルが大きくても、あまり大きくは感じないことがわかる。
可聴領域(20〜1 万Hz )より低い方を低周波といい高い音は超音波という。可聴領域の中でも聞きとりやすい周波数帯があり、2,000〜4,000
Hz である。図Eは産総研(NEDO)の協力で作成され、2003 年 新 ISO 226 に採用されたものである。
騒音とは「聞きたくない不快な音」、「邪魔な音」である。他人が騒音と感じなくても、本人が不快を感じれば健康を害し公害問題にもなる。騒音は比較的耳に感度の良い200
Hz〜8 kHzぐらいを対象とする。
騒音の中で長時間働いていると難聴になることもあり、騒音には各種法的規制がある。
防音とは他から侵入してくる音を防ぐ場合と、自ら発する音を外部に出さないという意味がある。また高速道路の防音壁は天井が筒抜けでは防音の効果は減少する。音は空気の振動でありこれを防ぐには、空気の流通を防ぐことでもある。どんなに防音処理を施しても窓を開けては意味がない。ホテルの客室を外からの騒音を防ぐといいながら、ドアの下から新聞を差し入れる程度の隙間を作っては防音をしたことにならない。
吸音 自ら発する騒音を自分に対する影響を少なくする意味では、室内壁面に吸音材を張るのは効果がある。事務室の天井に大抵吸音材があるのはこのためである。
振動 これは空気音ではなく固体を伝わる振動音である。発生源の振動を防ぐあるいは防振材を利用することで効果が期待できる。但しマンションなどで他からやってくる振動音はやっかいである。
防音ドア 完全に密閉すればある程度音は防げる、だが住空間では必ず出入り口が必要である。故に防音にはドアの性能が重要になる。そして壁面は重いほど防音性能が良く、これを質量則という。また入射音に対してどれだけその音を遮音できたかという量を透過損失という。30
db 遮音するにはそれだけの重量が必要になり必然的に防音ドアは重くなる。高い振動数の音は遮音しやすいが、低い振動数の音の遮音は難しい。先ほどの
db の定義により、入射音に対して 1/10 遮音すれば 10 db、1/10000の遮音で 40 db である。
無響室 音は必ず反射する。音楽ホールは適当な反射を利用するよう工夫されている。全く反射をなくしたのが無響室である。そこは音のない不思議な世界である。その中でピストルを発射してもカチッという音がするだけである。
