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第五章 物質量の比較

第五章 目次  5.1 長さ   5.2 質量   5.3 時間   5.4 面積   5.5 体積   5.6 速度   5.7 電磁波  
5.8 エネルギー   5.9 温度   5.10 熱伝導率   5.11 音圧   5.12 圧力   5.13 電気抵抗率   5.14 密度 5.15 濃度(%)   5.16 濃度(pH)   5.17 粘度   5.18 ヤング率    5.19 粒度    5.20 価格  
 コーヒータイム(5)擬態   第五章 執筆後記

5.17 粘度 (Pa・s)

 日常的には多く経験していてもそれを数値で知ることのないのが粘度である。秤や温度計はあっても粘度計が家庭にあることはない。しかし流体力学には真っ先に顔を出す項目であり、食品や化学などの工学には 必須のものである。「箸にも棒にもかからない」という言葉がある。水飴は箸で食べられるが水は粘度が低すぎてどうにもならない。それでも測定する方法はある。粘度計の形式を大別すると 1.毛管式、 2.落球式  3.二重円筒式、4.単一円筒式、5. 円錐回転式 などがある。粘度の定義は 3 章 4.15 で述べたが、原理的には「箸にかかる」ということを利用している。かからないように見えても精密に測定すればかかっているのでありそれが技術である。

1. ニュートン流体と非ニュートン流体

 非流体にも様々な挙動を示すものがある。しかし水や油など天然の液体の多くは、3 章4.15 で述べた定義に従うものであり、ニュートンが提唱したからニュートン流体という。これ以外を非ニュートン流体といい、次のようなものがあり、その概略の傾向は右図のようである。
ビンガム流体(塑性流体) ある程度力を加えないと動かない流体であるが一定以上の力を加えるとニュートン流体のようになる。バターなどがその例である。
擬塑性流体 ビンガムのようであるが力を加えると粘度が下がっていく。マヨネーズやケチャップまたエマルジョンなどがこれに相当する。
ダイラタント流体 力を加えると逆に粘度が上がっていく流体である。片栗粉と水をかき混ぜると静かに流すと水のように流れるが、これを混ぜると急に硬さを増す。湿った砂などもこれに相当する。
チクソトロピー これは攪拌などの力を加えると粘度が下がる流体である。擬塑性流体と似ているが、これは時間が関係してくる。この流体は力をかけることで粘度が下がり力がなくなれば元に戻る。揺変性ともいう。塗料を垂直面に塗るような場合は塗るときは粘度が低く、終われば垂れ下がらないというのが望ましい。そのような性質を与えるためには、シリカ(SiO2)の微粉末を少量添加し、良く分散させると得られる。

2. 粘度と温度

粘度は温度により大きく変化するので粘度を表示するときは必ず温度も記載しないと意味がない。液体は温度が高くなると粘度が低下するが、逆に気体は温度上昇により粘度は上昇する。温度と粘度の関係の例は第二章2.4に一例を示した。

粘度