第五章 目次 5.1 長さ 5.2 質量 5.3 時間 5.4 面積 5.5 体積 5.6 速度
5.7 電磁波 5.8 エネルギー 5.9 温度 5.10 熱伝導率 5.11 音圧 5.12 圧力
5.13 電気抵抗率 5.14 密度 5.15 濃度(%) 5.16 濃度(pH) 5.17 粘度 5.18 ヤング率
5.19 粒度 5.20 価格 コーヒータイム(5)擬態 第五章 執筆後記
圧力は宇宙空間には存在しない。高度 1000 km でも7.5×10−9 Paであり、限りなく零に近い。太陽中心は1016 Pa と大きいが、自然界の最大圧力は不明である。我々は105 Pa の気圧の中に住んでいるが、それを感じることはない。深海に住む生物類もその圧力を感じることはないであろう。
下の図Aは232pの図の一部を拡大したものである。ジャンボジェット機は高度1万m(10km)を飛ぶがこのときの大気の圧力は2.65×104 Pa であり、地上の1/4 程度である。しかし機内はもっと高く保たれている。富士山頂は3776mであるから、気圧は 6.3×104 程度である。
水深h(m)と水圧P(Pa)の関係は次式で表される。
P=ρgh・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (J)
ここで ρ:水の密度(kg/m3)、 g:重力加速度(m/s2)
図Bに水深と水圧の関係を示した。(J)式だけからの計算だと直線になるが、実際は大気圧が加算されるから(P=ρgh + 1×105 )、浅いところでは曲線になる。水深 10m で、2×105 Pa、有人潜水調査船
(しんかい6500)が、潜水する水深6500 mでは 6.4×107 Pa となる。

10 m 以下なら問題なくても 30 m 以上の潜水をして急浮上すると潜水病(減圧症)になる。高水圧下で、血液に溶けた窒素ガスが浮上により減圧されて気泡となり、毛細血管を詰まらせ、脳や抹消組織に血液が送られなくなることである。このため窒素より水に溶けづらいヘリウムと酸素の混合ガスを呼吸用として使用される。
東京ドームは、空気の圧力差で屋根膜を支えており、加圧送風ファンによって絶えずドーム内に空気を送っている。大気圧よりわずか 0.3 % だけ高い、これは 304 Pa(0.0031 kgf/cm2、 31 kgf/m2)であるが、ドームの全面積からすると総重量 400 トン の膜を支えていることになる。このような気圧差を人はほとんど感じない。もちろん空気が逃げないよう回転ドアが用いられている。
我々は大気圧(10132 Pa)のもとにあり、それを感じることはない。ゆえにそれを無視して圧力計の表示をするのが便利なことも多い。それがゲージ圧であり、大気圧に対しての差圧ということになる。
ゲージ圧では大気圧は 0 気圧、0 Pa となり、ガスボンベやコンプレッサー、クリーンルームなどに使用される。なお、圧力の表示は、絶対圧力か、ゲージ圧かを明示していない場合が数多くある。
血圧 80 とか 120 というのもこの場合の単位は mmHg でありさらにゲージ圧である。絶対圧はこれに 760 mmHg をプラスしなければならない。血圧が絶対圧の
80 mmHg としたら、怪我をしても血は一滴も流れないことになる。ちなみに圧力鍋の表示もゲージ圧である。(三章4-14参照)
