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最終更新日 2011/9/10


  1. Ⅱ大人の科学知識 
  2. Ⅲ科学技術リテラシー 
  3. Ⅳものづくり技術手帳

  1.ものづくりに必須の基礎知識

1.ものづくりの原点

かって「空気に重さなんかない」と一流のゼネコン技術者に言われた筆者は、そこに専門バカを見たのである(空気にも重さがあり、1 m3 で約 1 kgである)。
ものづくり」においてこのような基礎知識を知らないことは大きな問題である。
知っているようで知らない基礎知識、自分の仕事の守備範囲は知っていても一歩外れると,とたんに見えなくなる。「深い穴を掘るには広い穴が必要である」といわれるように専門以外にも浅くても広い知識が必要である。同じ仕事を一生続ける事が難しくなり、やむなく転職を余儀なくされる事もある。ものづくりの現場でつぶしが利くというのは、すべてに共通する基礎知識があると言うことである。それがあれば さらに進んで高度なことを学ぶにもスピードがつくのである。

2. 隗より始めよ

(かい)より始めよ」とは「大きな事業を始めるには小さな事から始める」と言うことである。今置かれた自分の環境で「できる事は何か」を考える事である。本書の第一章十二節「手口が同じ」というところでも紹介しているが、かってホームレスから年商 100 億の社長に返り咲いた堀之内氏は「プールの水をおちょこで 汲み出す行為が出来る人になれ」と述べている。我々は「千里の道も一歩から」とか「塵も積もれば山となる」という諺を知っている。この諺を理解していても先ほどの「プールの水....」は理解できないかも知れない。「プールを空にする」のにオチョコで汲み出していては何年かかるかわからない。だがその目標に僅かでも近づける方法が今は小さなサカズキで汲み出す事程度しかできない。馬鹿ばかしく思える努力だが信念をもって続ければ、サカズキは何時かコップになり、バケツになりついには何台もの大型のポンプで汲み出すことに発展する。その最初のサカズキを手にすることができる勇気が必要だと言うわけである。「小さな事」だから今現在それは確実に出来る事であり、その積み重ねが、将来の大きな夢の実現に繋がるのである。「ものづくり」も例外ではない。

3. ものづくりにも一歩を踏み出す勇気

  しかし人間は本来保守的であり、従来の習慣を変えることは容易でない。小さな事を始めるなら出来るはず、だがそれが将来の目標とどう繋がるのか定かでないとなかなか踏み切れない。いや繋がりが見えても目標が大きいとその実現が不可能に思えてさらに始めるのがおっくうになる。夢をもっていてもこれでは本当の夢想家になってしまう。
「もしもピアノが弾けたなら」という歌がある。この歌の人気は別にしてあえて歌詞に異議をとなえるなら「ピアノを弾くことを誰も禁じているわけではない、弾きたいと思うなら弾けるように努力すべきではないか」といいたくなる。ピアノがなければ借りればいい。
「英語を話せたらナア」「文章をうまく書きたいナア」「もし○○ができたらナア」などと泣き言を言っても始まらない。それらに関して一流のプロを目指すのでなく、普通に出来る人の仲間に入るだけなら誰にでもできる事である。少しずつできる事から始め、諦めないで続ける、目標を定め最初の一歩を踏み出す勇気を持ちたいものである。

4. 玉磨かざれば光なし 

 すこし前置きが長くなりました。この「ものづくり技術手帳」は「もっと理工系に強くなりたいナア」という人のための総合的な参考書です。そしてこの書籍は高校の理科総合と大学初級程度の内容であるが、従来の堅苦しい記述とは異なる。純粋な学問から離れて実際の「ものづくり」に即した内容としたのでこの名を付けました。次の大人の科学知識で述べるように、一般成人の科学知識のレベルは低くこれは世界共通のようである。故にアメリカ、イギリスそして日本もそのレベルを上げるために、大規模な予算を計上し実行している。「科学技術創造立国」や「ものづくり」を標榜する日本は、ことさらその対策が必要である。科学技術がいやおうなく生活に浸透する時代、化石人間にならないために行う施策であり、それはとりもなおさず我々自身のためと考えたい。そして今の時代、我々は多かれ少なかれ専門バカになっている。自分の仕事に精通するので精一杯、他の事に目をくれる時間的余裕がない。だからこそ常日頃の「ものづくり」のための自己啓発は欠かせないのであり、それを怠れば知らないうちに置いてきぼりにされてしまう。
ものづくり」で生きてきた日本、これからも続けるために、この「ものづくり技術手帳」がほんの少しでも役立てばと願っている。

大人の科学知識